敬老の日の陰ヨガ
敬老の日。
父と母を連れて、しのぶ先生の陰ヨガクラスを受けてきました。 スタジオエールさんの粋な計らいで、敬老の日の特別企画、65歳以上は無料でした✨ 両親に、自分が大切にしているこの陰ヨガを、しかも尊敬する先生のリードで受けてもらえるというのは、本当に嬉しいこと。 この歳になっても、自分のやっていることを親に知ってほしい、認めてもらいたいという思いが、どこかにあったのかもしれません。 私はタッチケアをはじめてから、母親との関係がとても良くなりました。 触れられなかった母に触れ、大好きを伝えられるようになりました。 でも、父親にはまだ触れられない自分がいました。 陰ヨガの前屈のポーズに入った時、おもむろに立ち上がり、私は父と母の背中をタッチしに行きました。 どうしても触れたかったんです。
「今」、触れる必要があると思ったんです。 父の背中に触れて、涙が溢れそうになりました。 小さい頃から、父は仕事に燃える情熱人でした。 彼なりの正義を持って、子どもの権利を守り、弱者を権力から守るための社会運動に人生を捧げてきた人です。 私は子どもながらに、そんな父を誇りに思い、大人になってからもずっと尊敬し、憧れてきました。 それが、私がヨガを始めた頃からでしょうか。 哲学に触れ、学ぶ中で、私なりの正義と、父の正義がぶつかり始めました。 私はどこかで、父を超えたかったのかもしれません。 価値観はズレ、喧嘩が増え、ついに 「お前とは分かり合えないから、もう込み入った話はしない」 と父から突き放されました。 悲しかった。 太く束ねられた絆のうち、大切な一本がブツリと音を立てて切れたような気がしました。 どんなに哲学を学んでも、私は無知でした。 哲学にとらわれ、柔軟さを欠き、調和を取ることを忘れていました。 父はそれ以来、とても優しくなりました。 でもそれは、悲しいかな、本音を見せない表面的な優しさだということを、察せずにいられず…。 そんな父の背中に触れながら、 もうそのまま抱きついてしまいたいような、小さな娘だった頃に戻りたいような、そんな思いで背中をさすり続けました。 そしてシャヴァーサナの時、 しのぶ先生は、私の手を両親の手に繋げてくださいました。
いつも温かいはずの私の手は、その時なぜかとても冷たくなっていました。 きっと、今まで確執のあった父の背中に触れ、無意識に緊張したのかもしれません。 でも、私の手を握ってくれている父の手は温かかった…。 とてもとても温かかった。 何だか全てを許してもらえたような、 親の愛に包まれたような、そんな気がしました。 母と父の手に包まれて、 涙が止まらなかった…。 37歳にもなった大人が言うようなことではないかもしれません。 でも、親はいつまでも親だし、子供はいつまでも子ども。 その関係性は、生きる上での土台であると言えるかもしれません。 クラスを終え、改めて私は父にハグをし、母にハグをし「ありがとう」を伝えることができました。 両親とも、とてもとても陰ヨガを気に入ってくれた様子でした。 私は父に「これが、私が伝えて行きたいヨガなんだ」と言うと、 「あぁ、すごくいいね。世界が穏やかに平和になるね」 と言うんです。 人生をかけて平和への社会運動を続けてきた父が、そう言ってくれたんです。 すごく嬉しかった。 お互いに、ひとつ重い鎧を脱ぎすてることができた瞬間だったかもしれません。 背中のタッチも、あとで聞くと、すごく温かくて優しい手だったと、私の手だということがすぐに分かったと、言ってくれました。 とても穏やかで優しい気持ちになる90分。 湧き出る感情を見つめ、本当の気持ちに気づき、素直に向き合う時間。 終わった後は、みんな柔らかな表情になります。 スピードの速い日常の中で忘れがちなこと、 向き合うことが出来なくて、蓋をし続ける感情はみんな其々にあると思います。 ゆっくりで静かな時間が、きっと何かを変える一歩になる。 世界が穏やかに、平和になる一歩は、静かになることから。 これが私が伝えたいヨガ。
この道でいい、
迷う必要はない。 しのぶ先生、 スタジオエールさん、 一緒に参加してくれた両親、 みなさん、ありがとうございました。 最高の敬老の日となりました。
ॐ