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土用コラム④

第4回「土用の食の養生法」

<第4回 土用の食の養生法>

前回は土用のウナギをテーマに、

情報だけに流されず、

今の自分の身体をじっくり観察して優しく接してほしいということをお伝えしました。

それを踏まえつつ、

今回は中医学で一般的にいわれる土用の食養生についてお話します。

五行では「五味」といって、各五臓に対応する味があると言います。

土の性質を持つ脾の味は「甘」。

甘味のある食べ物が脾をホッとさせるということです。

ただ砂糖のような強い甘味ではなく、

白米など素材そのものが持つ甘味のこと。

そして「五色」といって、各五臓に対応する色もあるのです。

土の色は「黄」。

これは脾に対応する色でもあり、

病気の時の顔色にも表れるといいます。

例えば脾の力が弱くなった方の顔色は、黄色みがかった土気色になるのだそうです。

この五臓に対応する色は、逆に不調になった五臓を元気にしてくれる色ともいわれています。

なので、無意識に選ぶ色は今自分が必要なもの(不調の五臓を元気にしてくれる色)ともいえるわけです。

話をもとに戻しますね。

脾に対応する味は「甘」、そして色は「黄」。

ということで、かぼちゃ、さつまいも、トウモロコシなど、黄色くて甘い素材は脾や胃に優しいということになります。

ただ、夏バテで食欲のない方は無理に食べようとせず、少しお腹を休ませてあげるといいかもしれません。

その後に、優しい甘味のあるかぼちゃやトウモロコシ、氣血を補う長芋やクコ、棗(なつめ)をプラスした温かい白米のお粥を食べると脾にやさしく、ゆっくりと回復させることができます。

ここで補足しておきたいのが脾と腎の関係。

脾と腎は五行では相克関係です。

甘いものを摂りすぎると酸化して骨がもろくなりますので、その辺は偏りのないようにバランスよく食べてくださいね。

ちなみに相克関係とは、おじいちゃんと孫のような関係のことをいいます。

普段は孫の腎が暴走しないように、

うまく綱を引いてくれるおじいちゃんのような存在の脾ですが、

この脾が何かの間違いでバランスを崩し、

年の割に筋肉粒々のとんでもなく強く怖いおじいちゃんになったとします。

すると今まで温厚に綱をチョイチョイと引っ張って腎をなだめていたのが、

今度はガオーっと腎を虐めだしてしまうのです。

(あくまでイメージの話です)

要するに、甘味が脾に良いといって過剰に摂りすぎると骨を管理している腎に影響を及ぼしてしまいますよ、というお話です。

なんでもバランスが大切。

いつもより多く甘味を意識するなら、同じくらい相克関係の腎の色である「黒い」ものや、

腎の味である「しょっぱみ」のある食材も、

少し意識してみるといいと思います。

さて、土用の脾にやさしい食養生についてお話しましたが、

秋までは夏の養生法もまだまだ有効だと思いますので、少し触れておきましょう。

例えば暑さで体の中が火照ってしまう方は、

アイスや冷たい飲み物の前に

涼の性質を持つ野菜や果物、

素材そのものに苦味のある食べ物を食べてみてください。

そして五行の夏の色でもある赤みのあるものも。

これらは全て一般に「夏野菜」としてスーパーに並ぶもので簡単に手に入ります。

スーパーに並ぶ旬の食材がその季節の五臓を労わる食べ物ということです。

ここからも体と自然界が繋がっているのが分かりますね。

ちなみに赤にちなんで、意外なところでは小豆のお赤飯。

もち米は補気・補血作用といって、

活動エネルギーである気と血を補ってくれます。

そして小豆にも補血作用。

さらに、余分な水分を出すデトックス作用もあるので、浮腫の緩和につながります。

小豆はお粥にいれてもいいですね。

ということで、今回は食養生のお話でした。

でも季節の養生法は、食だけではありません。

自然界の変化で私たちの五臓は変化をし、

同時に五臓とつながる感情も変化していきます。

心の持ち方も、見逃せない養生法です。

ということで、次回の最終コラムはココロの養生法についてお話したいと思います。

それではまた。

Kotoyoga

密山ことみ


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